11月30日(金)~12月1日(土) GP静岡レガシーに参加してきました

GP静岡

11月30日(金)~12月1日(土)のGP静岡に参加してきました。

今回はそのレポです。

デッキリスト

●31 Creatures
4 《ゴブリンの従僕/Goblin Lackey》
4 《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》
4 《ゴブリンの首謀者/Goblin Ringleader》
3 《宝石の手の焼却者/Gempalm Incinerator》
3 《軍勢の戦親分/Legion Warboss》
2 《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》
2 《ゴブリンのクレーター掘り/Goblin Cratermaker》
2 《ゴブリンの戦長/Goblin Warchief》
2 《ゴブリンの酋長/Goblin Chieftain》
2 《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》
1 《ゴブリンの群衆追い/Goblin Piledriver》
1 《棘鞭使い/Stingscourger》
1 《稲妻造り士/Lightning Crafter》

●7 Other Spell
4 《霊気の薬瓶/AEther Vial》
3 《虚空の杯/Chalice of the Void》

●22 Lands
5 《山/Mountain》
4 《魂の洞窟/Cavern of Souls》
4 《リシャーダの港/Rishadan Port》
3 《不毛の大地/Wasteland》
2 《沸騰する小湖/Scalding Tarn》
2 《乾燥台地/Arid Mesa》
1 《血染めのぬかるみ/Bloodstained Mire》
1 《Badlands》

●15 Sideboard
2 《血染めの月/Blood Moon》
2 《Pyrokinesis》
2 《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
2 《魔術遠眼鏡/Sorcerous Spyglass》
2 《罠の橋/Ensnaring Bridge》
2 《Karakas》
1 《ゴブリンの損壊名手/Goblin Trashmaster》
1 《ヤスデ団/Earwig Squad》
1 《虚空の杯/Chalice of the Void》

想定したメタゲーム

GP静岡では下記7つのデッキをTier1の仮想敵に設定し、メイン・サイドの構成を練りました。

  • ミラクル・・・・・デッキパワー的にも使用者数的にも大本命
  • グリコン・・・・・アドアドしい横綱相撲がしたい人向け
  • デスタク・・・・・堅実にビートダウンしたい人
  • エルドラージ・・・デュアランは無いけど勝ちます系プレイヤー
  • グリデル・・・・・デルバー大好きっ子は一定数いるはずなので
  • スニークショー・・現環境におけるコンボの筆頭候補として。雑に強い
  • 土地単・・・・・・使用者は少ないけど上がってくる可能性大

これにANTやリアニメイト、URデルバーあたりがTier2として続くと予想しました。GP初日終盤の上位卓をざっくり見た感じ、そこまで大きく外してはないと思います。

直近の神決定戦ではターボデプスとエルドラージ、赤ストンピィが大活躍しましたが、エルドラージは元々意識してましたし、ターボデプスはSneakShow対策がそのまま流用でき、赤単プリズンに至っては構造的に相性チョー有利なのでゴブリン的には特にこれといった変更点は見当たらず。11月19日以降は75枚に手は加えず、ひたすらサイドボーディングを練り込んでいました。

構築について

最大の特徴は一枚刺しのゴブリンがメインは3枚しかないことです(群衆追い、棘鞭使い、稲妻造り師)。ここまで一枚刺しが少ない構成は初めてかもしれません。

通常のゴブリンであれば一枚刺しは5枚~8枚くらいありますが、今回は見ての通り構成をTier1に特化させたので、あると便利だけどTier1にはイマイチなカードを全て排してその枠にTier1に効果的なカードを入れる形にしました。そのため75枚全体で見ればTier1への耐性は極限まで突き詰められたと思います。

この構成の弱点として、女看守の柔軟性が下がるので想定外のTier3に遭遇したときに苦しくなる場面が結構あります。しかし、当たるかどうか分からないTier3を意識してTier1への耐性を下げるのはナンセンスですし、ラヴニカのギルドでゴブリンのデッキパワーが多少は上がっているので、ローグは戦親分でなんとか押し切れれば・・・といった感じです。

前回の記事(10月3日時点)の構築から変わった部分は四点です。

  1. ゴブリンの外科医 → モグの戦争司令官
  2. 火花鍛冶     → 宝石の手の焼却者
  3. 樹木茂る山麓   → 乾燥台地
  4. 虚空の力線2枚  → アメジストのとげ2枚
  5. 虚空の力線2枚  → Karakas2枚

モグの戦争司令官 2枚

モグの戦争司令官

2枚目のモグの戦争司令官の枠には元々ゴブリンの外科医を入れていました。

前回の記事(10月3日時点)で書いたように、確かににゴブリンの外科医はグリコンに対しては強力でした。

10月2日(火) MO LegacyLeage 苦節13回目の挑戦でようやく5-0っ・・・!
ゴブリンのクレーター掘りと軍勢の戦親分を得て生まれ変わった新生レガシーゴブリンでMOリーグに参加してきました。苦節13回目の挑戦にてようやく5-0できたので、各カードの使用感などを備忘録としてまとめたいと思います。

しかし、Tier1を上記7つのデッキと想定するならば外科医が効果的な相手は他にグリクシスデルバーくらいしかなかったので、受けの狭さが許容できず解雇するに至りました。

それで外科医の枠は、グリコンにそこそこ効果的でかつ他のTier1にもまずまずの仕事をするモグの戦争司令官に取って代えることにしました。

本来1マナゴブリンは期待値的な意味や土地4枚からキャストするゴブリンの女看守を強く運用するために、従僕以外にも最低1枚は取りたいところです。しかし今回色々な1マナゴブリンやタップインランドを試してみてもしっくり来る1枚はありませんでした。それで、妥協して1マナゴブリンを入れるくらいなら2枚目が欲しかったモグの戦争司令官を入れた方が良いと判断し今回はこういう構成になりました。

宝石の手の焼却者 3枚

今まで長らく宝石の手の焼却者は2枚でしたが、今回火花鍛冶を解雇して3枚目を入れることにしました。

クリーチャーデッキ相手の火花鍛冶はとても強力で、特に2ターン目に出した火花鍛冶が除去されなかった場合はほぼ勝ったも同然です。1ターン目霊気の薬瓶→2ターン目リシャーダの港→3ターン目ゴブリンの女看守でサーチという動きは反則じみた強さで、このお手軽強ムーブには今までどれだけ助けられてきたか分かりません。

初手のキープ基準を緩めてくれると共に盤面を掃除してコンバットを簡単にしてくれるので下手糞な自分としてはとても有難く大好きなのですが、軍勢の戦親分3枚に加えてモグの戦争司令官も2枚入れるとなると、さすがに自分へのダメージが痛すぎました。また、最近は歩行バリスタや苦花の採用率が上がってきていたので、それも火花鍛冶不採用を後押しする理由になりました。

それでゴブリンデッキの除去として最もメジャーな宝石の手の焼却者に変更するに至りました。3枚目の宝石の手の焼却者はグリコンやミラクル、直前で大躍進した赤単プリズン相手にも火花鍛冶よりマッチしているので、そういう意味でも好感触でした。

タール火に続き火花鍛冶まで切ると小回りの利く除去がなくなるのでエルフや感染、SteelStompyのような小粒を連打するマッチアップで厳しい瞬間があったりしますが、それらは元々Tier2以下で当たる確率も低いのでガードを下げても問題ないと判断。調整段階ではデスタクやグリデルを特化して見るなら焼却者3枚の構成でも問題なかったので、これでいくことにしました。

乾燥台地 2枚

乾燥台地

今までフェッチは魔術遠眼鏡対策のために可能な限り散らしていました。しかし、樹木茂る山麓だと後手のANTが警戒せずに1ターン目ブッパしてくる可能性が高いので切りました。乾燥台地であれば向こうはミラクルの匂いを察知して安全策から入ってくれる可能性も1%は上がるので、そうすれば2ターン目虚空の杯による勝機も出ます。

5枚のフェッチランドを2:2:1と散らす案は魔術遠眼鏡で1:2交換されてしまうリスクをちょっとだけ上げてしまいます。

しかし、現実的にそれがあり得るのは、対エルドラージ、かつ向こうが先手、かつ1ターン目に古の墳墓→魔術遠眼鏡と動いたときに、こちらの初手に同名フェッチが2枚あったときだけです。

そんなレアケースが発生する確率はかなり低いので、だったらANT相手に1ターン延命できる可能性がちょっとでも上がる乾燥台地の方が良いと思い今回こういう構成にしました。

さすがに同名フェッチ3枚は怖いのでやりませんでしたが、2枚ならほぼ誤差の範囲なので許容できるかなーという印象です。

虚空の力線 0枚

虚空の力線

前回の記事(10月3日時点)の時点では虚空の力線が4枚でしたが、今回墓地対策は思い切って全抜きしました。

墓地対策を完全に捨てた理由は単純に必要性を感じなかったからです。

自分が想定したTier1では墓地対策が刺さる相手は土地単しかおらず、しかもその土地単にしても血染めの月を筆頭にサイドボードを大量投入すれば見た目上は勝負できるような雰囲気になるので、だったら墓地対策は必要ないという判断に至りました。

もちろん、Tier2以下まで見ると力線が欲しい相手も沢山いて、15回戦やるとなると絶対に数回はリアニメイトやANTを踏むだろうと思っていました。しかし、その手の輩はそもそもゴブリンがとても苦手とするデッキで、たとえ力線を取っていたとしても負けるときはあっさり負けてしまいます。(※ラヴニカのギルド後は暗殺者の戦利品で虚空の力線をサクッと処理されるようになったので、その傾向はより顕著になったと思います。)

それで、遭遇率が低く対策しても高確率で負けるのであれば、いっそのこと完全に切って、確実に当たる他のTier1への勝率を上げた方がトータルの成績は良くなると思い虚空の力線には退場してもらいました。

アメジストのとげ 2枚

アメジストのとげ

墓地対策を切ってでも対策を厚くしたかったのはミラクルとスニークショーです。ミラクルは構造的に有利&使用者が多いため絶対に勝つべき相手ということで万全の体制で迎え撃つために。スニークショーは使用者の多さに加えて、アンフェアデッキの割にANTやリアニメイトと違ってしっかり対策すればそれが報われやすいのでサイドボードを厚くすることにしました。

そういう狙いから、この二つにいい感じに仕事をするアメジストのとげを入れました。

この2枚の枠について、当初はグリコンも意識して紅蓮光電の柱を入れる案や、エルフとリアニメイトも見れる封じ込める僧侶を入れる案も試しました。

ところがそれだとスニークショー相手に虚空の杯を入れなければいけなかったり、ミラクル相手に魔術遠眼鏡を入れなければならず、サイドボーディングで一部妥協しなければいけない部分ができてしまうので最終的には初心に戻りミラクルとスニークショーをまとめて見れるアメジストのとげを採用することになりました。

アメジストのとげが1枚ではなく2枚なのはサイド後に1マナスペル+対策スペルを対ミラクルでは14枚、対スニークショーでは18枚取りたかったからです。この構成はおおむね間違ってはなかったように感じます。

Karakas 2枚

karakas

ゴブリンができる一番のスニークショー対策といえば魔術遠眼鏡と罠の橋です。しかしこれらは3枚目を取るとなるとサイド後の動きがモッサリしすぎて展開に支障をきたす場面が多すぎました。

そうでなくても残響する真実でシャクられたり、自分のアメジストのとげと喧嘩したり、スニークショー以外のマッチアップで3枚目が欲しい場面が少なかったり・・・・・・このように散々な結果だったので、かなり早い段階で魔術遠眼鏡と罠の橋の3枚目を入れる案は没になりました。

そこでKarakasです。Karakasは上記のようなトラブルとは無縁ですし、何より他の候補(紅蓮破や2枚目の棘鞭使い)と違って潰しが効きます。

たとえば土地単やリアニメイトはもちろんのこと、直近の神決定戦で優勝したターボデプスにもサイドインできますし、土地嵌めしてくるデッキに対して23枚目の土地として入れたり、その用途は多岐にわたります。

特にグリコン相手に入れるKarakasは強烈で、運よくクレンコとペアを揃えることができれば勝利は目前です。今回はサイドボードの都合から対グリコン用のサイドカードが全然取れなくて不安だったので、そこを穴埋めするという意味でもKarakasはピッタリはまりました。

過去にKarakasをサイドに2枚入れたゴブリンなんてぜんぜん見たことがなかったので正直不安でしたが、グリコンやSneakShow、土地単に加えてターボデプスまで有力候補にある現在のメタゲームならこれもアリかなーと思います。

対戦結果

で、実際の結果は・・・・・・

ラストチャンストライアル1回目

ラウンド 対戦相手 結果
Round 1(後攻) UR Delver 〇〇
Round 2(先行) Bye
Round 3(後攻) Grixis Delver ××

三没

ラストチャンストライアル2回目

ラウンド 対戦相手 結果
Round 1(先行) UW Stoneforge 〇〇
Round 2(先行) ANT ××

二没

ラストチャンストライアル3回目

ラウンド 対戦相手 結果
Round 1(後攻) Grixis Delver 〇×○
Round 2(先行) Infect ×○×

二没

GP本戦 初日

ラウンド 対戦相手 結果
Round 1(後攻) Steel Stompy ××
Round 2(先行) UR Delver ××
Round 3(後攻) MonoRed Painter ×○○
Round 4(後攻) Infect ××
Round 5(後攻) Nic Fit ○○
Round 6(先行) Infect 〇××
Round 7(先行) Elves 〇〇
Round 8(後攻) Grixis Delver 〇〇

4-4

雑感

感染相手に0-3www/(^o^)\

ついでにスティールストンピィにも負け。火花鍛冶をサーチしてきたい場面が二日合わせて5回!もあって、非常に厳しい感じでした。構築を対Tier1に特化させてTier3への耐性を落とした弊害がGP本戦ではモロに出てしまった形となりました。

ただ、火花鍛冶を抜いた今回の構築がダメだったかというと、正直判断は難しいところ。

なぜならTier1は勝ち続ければいずれどこかで絶対当たるデッキなのに対して、Tier3はそもそも遭遇するかどうかさえ不明なデッキだからです。

仮にTier3を意識してTier1へのガードを下げるような構築で臨めば、本戦序盤は運よく3-0くらいできたとしても、それ以降当たりだすTier1を落としてしまうであろうことは容易に想像できます。

だったらTier3には当たらない or 当たっても軍勢の戦親分が頑張ってくれることに期待して、Tier1に万全の耐性で臨むという構築設計はそれはそれで間違いではなかったと思います。

もちろん、2Byeが取れなかった時点で序盤のローグ戦を意識して、もっと受けの広い構成にすべきだった・・・という考え方もあるのですが、何とも言えませんね。

まとめ

GP静岡は序盤コケたので想定するメタデッキにはほとんど当たらず、代わりにTier3くらいの相手とばかり当たった結果、Tier1を意識したデッキ構成が仇となって負けに負け、という結果で終わりました。

ゴブリンはラヴニカのギルドで大幅強化されたことに加えて、メタ的に相当良いポディションについていました。それだけにこの結果は正直悔しいです。

とはいえ、デッキを組む際にTier1から意識していき、Tier3程度のデッキはスペースに余裕があれば対策する、というのは至極真っ当な構築手順ですし、今回の75枚は正しいとは言えなくても、間違いでもなかったと思います。

とりあえずラヴニカのギルド後のゴブリンの構築は自分の中ではこれが一つの完成系かなーとも思います。GP京都2015、GP千葉2016で使用したリストよりも自分の中での納得度は高いので、仮に明日またレガシーGPがあったとしても、同じ75枚で出るでしょう。

ラヴニカの献身

ラヴニカの献身

そうえいば、1月のラヴニカの献身では待ちに待った赤緑と赤黒がやってきます。

ラヴニカのギルドがゴブリン7枚中、3枚も構築レベルだったことを考えると、ラヴニカの献身でも強力な新人が1枚くらいは現れるんじゃないかと期待がもてます。

最近のゴブリンは再録とリメイクばかりなので、ブリキ通りの悪党がエンチャント破壊になって帰ってくるかもしれませんね。

ぶっちゃけ今のゴブリンがトーナメントレベルにのし上がるためには4積確定の部族土地やゴブリンの女看守の上位互換なんかが刷られてデッキの強さが一段階引き上げられる必要があるので臨み薄ですが、、、今から首をながーくして待ちたいと思います。