【ラヴニカのギルド】削剥をリメイクしたゴブリンが登場!その名もゴブリンのクレーター掘り!

ゴブリンのクレーター掘り 新セット

ラヴニカのギルド プレビュー2日目、削剥を内蔵した新ゴブリンゴブリンのクレーター掘りがお披露目されました。

さっそく当ブログでもこの1枚について考えてみます。

ゴブリンのクレーター掘り

ゴブリンのクレーター掘り

ゴブリンのクレーター掘り (1)(赤)
クリーチャー ゴブリン・戦士

(1)ゴブリンのクレーター掘りを生贄に捧げる: 以下から1つ選ぶ。
・クリーチャー1体を対象とする。ゴブリンのクレーター掘りはそれに2点のダメージを与える。
・無色の土地でないパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。

2/2

ゴブリンのクレーター掘りのココがエライ!

1、灰色熊。しかもキープ基準になる

ゴブリンの2マナ圏といえば、ゴブリンの群衆追いを筆頭に、モグの戦争司令官や巣穴の煽動者、騒乱の発端グレンゾ、果ては蛙投げの旗騎士まで様々なカードが試されては消えていっている枠です。ゴブリンデッキで最も個性の出る箇所かもしれません。

その中でも現在は群衆追いと戦争司令が最も使われています。その理由はデッキにマッチしているという所もそうですが、最大の理由はシングルシンボルという点にあると思います。

ゴブリンデッキは不毛の大地とリシャーダの港をフル活用するデッキなので普通に組むと赤マナソースは14~16枚程度しか取れません。しかし、ダブルシンボルのクリーチャーを安定して2ターン目にキャストしようと思ったら赤マナは最低18枚は必要です。

ここがゴブリンの2マナ圏を考える上で最大のネックでした。

世間には巣穴の扇動者を中核に沿えて無色土地を減らす意欲的な構築もたまに見かけますが、それだと中盤以降のマナフラがどうにも許容できません。そういう事情から多くのプレイヤーは最終的に最も無難な群衆追いと戦争司令を採用しているのだと思います。

つまり、2マナゴブリンはシングルシンボルというだけで滅茶苦茶エライわけです。更にゴブリンのクレーター掘りのパワーとタフネスは驚異の2/2!

仮にこれがシングルシンボルといえど1/2や2/1だったら「パンチ力に難が~」とか「除去耐性が~」という愚痴の一つも出てきたでしょう。

しかし、シングルシンボルかつ2マナ2/2というのは2マナゴブリンに求められるスペックを全てクリアしています。

そして削剥能力のおかげでキープ基準としても機能するので、これはもう本当に偉いとしか言いようがありません。

2、アーティファクト破壊要因として見ても実用レベル

ゴブリンの損壊名手はタクタクの潰し屋を完全に過去のものにしましたが、今回のゴブリンのクレーター掘りも負けてはいません。ブリキ通りの悪党のポディションをほぼ奪うのではないかと思います。

ブリキ通りの悪党

そもそも、ゴブリンの損壊名手はなぜ強かったのか?その強みは以下の二点に集約されます。

  1. 先出しOK
  2. アーティファクトを使わないデッキ相手にも仕事をする

そして、ゴブリンのクレーター掘りもこの二点をクリアしています。

もちろん、対アーティファクト性能だけに限って見れば盤面に残るブリキ通りに軍配が上がるかもしれません。しかし、言い方を変えれば対アーティファクト性能以外の面においては全てゴブリンのクレーター掘りの方が優れている、ともいえます。

たとえばカナスレなどはサイドから真髄の針や冬の宝珠を入れてくるケースが結構あるのですが、入ってもせいぜい1~3枚なのでゴブリン側はアーティファクト対策を入れるのは躊躇われます。(特にアーティファクト破壊しか期待できないブリキ通りの悪党のようなカードは。)かといって全く無視するといざ出された時に一発で詰みかねないので、昔は渋々アーティファクト対策を1枚残すというケースが結構ありました。

真髄の針、冬の宝珠

そんな状況にはゴブリンのクレーター掘りがぴったりハマります。相手がアーティファクトを出して来たらそれを破壊すればいいですし、出てこなければ秘密を掘り下げる者を焼くなりすればいいんですから。削剥の生まれ変わりというだけあって、とても柔軟性の高いカードだといえます。

M19まではアーティファクト対策を2枚とも損壊名手にしてしまうと遅くて間に合わない可能性があったので2マナと軽いブリキ通りの悪党にも一定の価値がありましたが、今後はそのブリキ通りでさえ目にする機会は減りそうです。

3、確定で2点ダメージが飛ばせる点がエライ

ゴブリンの代表的な除去といえば宝石の手の焼却者ですが、実はこれ、序盤は中々使い辛いカードです。例えばこんなハンド↓をキープしたとします。

これに対して、先行の相手が1T目秘密を掘り下げる者→2T目変身と動いた場合、デルバーを除去できるのは相手の妨害も考慮すると恐らく4ターン目以降でしょう。これと似たようなシチュエーションは対ミラクルにおける僧院の導師などでも発生します。

宝石の手の焼却者は決して悪い除去ではありません。むしろゴブリンが強かった頃はゴブリンの強さを象徴する1枚でした。しかし、時代は進み、現在のレガシー環境は低マナの強クリーチャーが大量に跋扈するようになりました。そうなると横並べが必要で、かつ、サイクリングに除去を合わせられないよう注意しなければいけないという宝石の手の焼却者のデメリットが目立つようになってきました。

宝石の手の焼却者

ゴブリンを使ったことがある人なら誰しも一度は宝石の手の焼却者の不安定さにモヤモヤした経験はあるはずです。

そこで、ゴブリンのクレーター掘りです。こちらはタール火と同じ2点固定なので焼却者特有の悩みとは完全に無縁です。もみ消しでもない限りデルバーは落ちますし、サイド後によくある渋面の溶岩使いのせいで宝石の手の焼却者が仕事をさせてもらえないという状況も起きません。霊気の薬瓶から出してすぐ起動すれば実質タール火と同じです。こうしてみると信頼感が段違いです。

世間には死儀礼が消えた今でもタール火を2枚どころか3枚も入れている人だっているくらいです。その事実からも、ゴブリンにとって確定でダメージを与えられるカードがどれほど重要な存在かが伺えます。

4、なぜかエルドラージを殺せる! !?!?

エルドラージ

ゴブリンのクレーター掘りはなぜかエルドラージや無色PWまで殺せる親切設計になっています。(伝説でも何でもないただの無名ゴブリンがストーリーの根幹に関わるウギンやカーン、エムラクールを落とせてしまうのは著しく世界観を損なう汚いデザインだと思うのですが・・・)

対エルドラージは圧勝か圧敗のワンサイドゲームになりやすいのですが、ゴブリンのクレーター掘りがあれば圧敗を惜敗くらいにできるかもしれません。

通常、現実を砕くものを連打されるとゴブリン側は処理が追い付かずそのまま押し切られてしまうことが大半です。そんな時でもゴブリンのクレーター掘りがあれば話は別です。ゴブリンシナジーを形成せずとも、たった一人で現実を砕くものを処理してくれるのだから、2マナゴブリンとは思えない驚異の働きぶりです。

というか、冷静に考えて除去はダメージに頼っているはずの赤という色が4/4や5/5といったファッティをわずか3マナで後腐れなく除去できてしまうのは、どう見てもおかしいですよね・・・ どうしてダメージとアーティファクト破壊に加えて、無色パーマネント破壊なんていうオマケを付けたのでしょうか? ここについてはぜひ開発秘話を読んでみたいもんです。

 

あと、エルドラージ繋がりでいえば絶対に外せないのは、引き裂かれし永劫、エムラクールを倒せるという事実。つまり、SneakShow相手に有効であるという点です。

SneakShowにやられて一番嫌なのは騙し打ち→エムラクールの滅殺6でした。これは棘鞭使いと巣穴の運命支配をもってしても避けられない詰みルートです。実物提示教育→全知→エムラクールも同様です。

それがあろうことかゴブリンのクレーター掘りなら回避できてしまいます。これはエルドラージアグロ相手のクリーチャーを1体殺すのとは訳が違い、ゲームを決める決定打になり得ます。

ゴブリンでできる一番のSneakShow対策といえば巣穴の運命支配です。しかし、死儀礼が消えた今でも依然として環境には沢山の小粒クリーチャーがいるので巣穴の運命支配はあまり採用したくないというのが多くのプレイヤーの本音ではないでしょうか。

巣穴の運命支配

そのため巣穴の運命支配の枠は今後、徐々にゴブリンのクレーター掘りに置き換えられていくのではないかと思います。

棘鞭使い2枚、巣穴の運命支配2枚みたいな構成はエルドラージやSneakShowだけを意識するなら悪くはありませんでした。しかし、尖りすぎていて他のデッキへのガードが下がるため、トータルで見ると決して良い構成ともいえませんでした。

一方、ゴブリンのクレーター掘りはその二枚には無い丸さがあります。小型クリーチャーも大型のエルドラージもまとめて対処できるとなれば、今後ほとんどのゴブリンで採用が進むのではないかと思います。

ゴブリンのクレーター掘りについて まとめ

実はMTG25年の歴史において、灰色熊相当のゴブリンは過去に4枚しかありませんでした。

しかもそれらは全てここ1年以内に刷られたものです。

2マナのゴブリンたち

イクサランの相克で始めて灰色熊のゴブリンが現れたと思ったら、続くバトルボンド、ドミナリア、M19と灰色熊が刷られ続け、そして今回のゴブリンのクレーター掘りです。

ここからも最近のゴブリンがどれだけ優遇されているかがよく分かります。イクサランの相克から始まったゴブリン強化週間はラヴニカのギルドでもまだまだ継続中のようで嬉しい限りです。

アラーラ最誕でクァーサルの群れ魔道士が出た時は「Zooばっか強化されてズルいなー」なんて思いましたが、あれから9年、ようやくゴブリンもクァーサルの群れ魔道士とほぼ同等かそれ以上の強力カードを獲得することができました。感慨深いものがあります。

 

ゴブリンの2マナ圏といえば、過去様々なカードが挑戦しては消えていった枠です。

今回のゴブリンのクレーター掘りは部族シナジーは形成せず単体運用を前提としているので流石に4積は無いと思います。(ハズレたらすいません)

しかし、過去の2マナゴブリンたちと比較してもトップクラスに強いことは間違いないので、蓋を開けてみたら損壊名手以上にゴブリンを強化する1枚だった、なんてことになるかもしれません。

いずれにしても、ゴブリンのクレーター掘りが今後どれだけ活躍するか今から楽しみです。